デザイン思考が求められるのはなぜ?ビジネスにもたらす効果をご紹介

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近年、仕事の現場において「デザイン思考」「Design thinking(デザインシンキング)」という言葉をよく耳にするようになりました。
その一方でその言葉の本来の意味を分かっている人は少ないのではないのでしょうか。
経済のグローバル化やテクノロジーの進化などにおいて、企業はより良いサービスの提供や競争力がより求められるようになりました。

このような課題への解決法として注目される、「デザイン思考(Design Thinking)」について今回はその概要や効果についてご紹介します。もくじ

  1. デザイン思考とは何か
  2. なぜデザイン思考なのか?
  3. デザイン思考の5つの段階(プロセス)
  4. まとめ

◆デザイン思考とは何か

世間一般的に、デザイナーという言葉からはファッションデザイナーやグラフィックデザイナーを思い浮かべる事が多いかと思いますが、本来、「Design(デザイン)」とは「設計」と訳す事ができます。
デザイン思考における「デザイン」とは、配色やレイアウトなどといった装飾的な意味合いではなく「設計」を意味します。
デザイン思考とは、抱えている問題に対して少し違ったプロセスで取り組むことによって、今まで考えつかなかったアイデアが生まれ、解決策を見出していく考え方の事を指します。
デザイン思考の特徴としては、さまざまな職種やビジネスに通用するといった点が挙げられます。
また、役職の垣根もなくプロジェクトに関わるすべてのスタッフ全員がプロセスに参加できるところもデザイン思考の持つ大きな特徴です。

◆なぜデザイン思考なのか?

デザイン思考が求められるようになった背景としては、PCやスマートフォンの普及に伴いニーズの変化が急加速したことでサービスの多様化が求められるようになり、従来の仮説検証型のアプローチでは問題の解決が追いつかなくなってしまったことが挙げられます。
「モノ」を作っただけで終わりという時代は過去となり、ユーザーの視点に立ち、モノだけではなく「体験」を作る時代に移り変わりました。
この時代の急激な流れについていくためには、ユーザーの体験を作る視点・手法が求められ、デザインに必要な考え方と手法を利用して問題を解決していく方法がデザイン思考なのです。

◆デザイン思考の5つの段階(プロセス)

1.観察・共感(Empathize)
この段階では、まずターゲットを観察し、ターゲットの事を理解します。
ユーザーが何を求め、何を考えているかといったニーズを探っていきましょう。
ユーザーインタビューやユーザーテストを繰り返し行い、実際にサービスを利用したユーザーの体験を通して問題点を挙げていきます。
常にユーザー視点を持ち、ターゲットの目線で考えることが大事です。

2.定義(Define)
次に、ユーザーインタビューなどで挙げられた問題点を掘り下げていきます。
その内容をベースにユーザーが本当に必要としている事を洗い出し、問題定義を繰り返しながらコアとなる問題を明確に定義づけします。

3.概念化(Ideate)
定義された問題点に対し、どのようにアプローチすべきか、具体的な案を出していきます。
ユーザーに受け入れられるアイデアは何か、スタッフやメンバーを集めて自由に意見交換を行っていきます。
思いつく限りのアイデアを発散し具体案を練ります。

4.試作(Prototype)
3で固まった案をもとに試作品を作成します。
実際に試作品を作成することによってイメージが湧きやすくなり、アイデアをより具現化する事ができます。

5.検証(Test)
試作品の社内での検討を終えると、いよいよ実際にユーザーに使用感を問います。
ターゲットに向けて検証、改善を繰り返しながら、最終的な解決策を目指します。
それまでの方針が正しかったか否かを見極める事ができ、さらには今後の課題を決める重要な段階となります。

◆まとめ

デザイン思考とは、単にデザイナーだけの考え方ではなく、ビジネスに携わる全ての人に関係する考え方といえます。
プロダクトを作る以外にも、プロジェクトの進行や、組織の問題解決など、あらゆる場面でデザイン思考が活用できます。
チームのメンバーが集まり議論を交わすことによって、新たなアイデアの発見につながります。

今後ますます注目されるデザイン思考。
この機会にぜひビジネスの場で活用してみてはいかがでしょうか。