2024年5月、OpenAIは「GPT-4 Omni」(略してGPT-4o)を発表しました。
本記事では、GPT-4oのアップデート内容や無料で使える機能について詳しく解説します。
もくじ
◆GPT-4oは無料で利用できる?
GPT-4o(有料版)は通常、月額20ドル(日本円で約3,000円程度)で利用できますが、一部の機能は無料で使用可能です。
無料で利用できる機能
- 写真の読み込み
画像内の情報を抽出し、必要に応じて活用することが可能です。 - 連続利用(条件付き)
10回まで、もしくは5時間以内での連続利用が許可されています。 - Web検索機能
最新のニュースや情報をリアルタイムで取得することができます。 - ファイルの読み込み
文書を解析し、そこから得られる情報をさまざまな形で利用できます。
無料で利用できない機能
- 長時間・多量の連続利用
有料版では最大80回、3時間おきに利用可能ですが、無料版では連続10回または5時間の利用が上限となります。 - 高度な機能の制限
メモリー機能、GPTストア、画像生成、音声会話などの高度な機能は無料版では利用できません。
◆主なアップデート内容は4つ
GPT-4oは、従来のモデルに比べて以下の4つの機能が大幅に強化されています。
- 音声処理機能
- 画像作成機能
- 20言語対応の新しいトークナイザーの実装
- データ解析機能
今回はその中から2点紹介します。
音声認識機能の進化
応答速度の改善
音声入力への応答時間が最短232ミリ秒、平均320ミリ秒となり、人間の会話速度にほぼ匹敵するスピードを実現しています。この性能向上により、より滑らかで自然なコミュニケーションが可能になりました。
感情を読み取る高度な対話能力
GPT-4oは、声のトーンや文脈、背景の雑音、複数の声を解析することで、ユーザーの感情を理解する能力が大幅に向上しました。例えば、ユーザーがストレスを感じている際には、それに応じた落ち着かせるような応答を生成するなど、状況に合わせた柔軟な対応が可能です。この進化により、カスタマーサポートや教育の現場など、さまざまな分野での応用が期待されています。
画像生成機能のアップデート
ストーリー性のある複数画像の生成が可能に
GPT-4oの画像生成機能が強化され、複数の画像を連続して作成し、それらにストーリー性を持たせることができるようになりました。
整合性の大幅な改善
これまでの画像生成では、連続した画像間で統一感を保つことが難しく、結果として画像が不安定になることがありました。しかし、今回のアップデートにより、ストーリー全体のビジュアルの一貫性が大幅に向上し、統一感のある画像が生成可能となりました。
この進化により、GPT-4oは広告やエンターテインメント業界をはじめとするさまざまな分野での利用拡大が期待されています。
◆バージョンごとの進化について
バージョンごとの特徴
- トレーニングデータ
- GPT-3.5は2021年までのデータに基づいていますが、GPT-4.0は2021年以降のデータも含みます。
- GPT-4oでは、最新のデータまで対応可能となり、リアルタイムでの情報収集ができるようになりました。
- 自然言語理解
- GPT-3.5の高度な言語理解は、GPT-4.0でさらに強化され、GPT-4oでは最適化された性能を発揮しています。
- 対話スキルと応答精度
- GPT-3.5は「高い対話スキル」を持ちますが、GPT-4.0では「自然で流暢な会話」が可能に。
- GPT-4oは「自然かつ最適な速度での応答」と「精度と効率のバランス」を兼ね備えています。
- 利用例の進化
- GPT-3.5は一般的な質問に対応。
- GPT-4.0は専門性の高い質問にも対応可能。
- GPT-4oは高度な言語タスクやリアルタイム情報の処理を得意とし、応用範囲がさらに広がっています。
- 計算リソース
- GPT-3.5、GPT-4.0では計算リソースの負担が大きい中、GPT-4oでは効率を重視した設計がなされています。
GPT-4oのメリット
- 最新情報の利用
最新のトレーニングデータに対応しており、リアルタイムの情報をもとにした回答が可能。 - 自然な会話と迅速な応答
人間の会話に近い自然さと最適な速度での応答が実現。 - 応用範囲の広がり
高度な言語タスクや専門性の高い質問にも対応し、個人からビジネスまで幅広いニーズに応える。
◆まとめ
本記事では、ChatGPTの新モデル「GPT-4o」について詳しくご紹介しました。無料ユーザーが利用できる機能が拡充され、セキュリティ面でも強化されたことで、さらなる利用者の増加が見込まれています。
AIというと、エンジニア職が開発するイメージを抱く方も多いかもしれませんが、実際には、既存のAIを活用して新しいサービスを生み出したり、業務の効率化を図るなど、その利用法は多岐にわたります。
このモデルを通じて、新しいアイデアや可能性が見つかるかもしれません。ぜひ積極的に試してみてください。