サーバーとは、ネットワーク上で他のコンピューターに機能やサービスを提供する役割を担うコンピューターのことです。このサーバーの設計、構築、運用を専門的に行うのがサーバーエンジニアという職種です。本記事では、サーバーエンジニアの具体的な仕事内容や求められるスキル、さらに平均年収について詳しくご紹介します。
もくじ
◆サーバーエンジニアの仕事内容
1.サーバーの構築
サーバーエンジニアの業務は、大きく「サーバーの設計・構築」と「稼働中のサーバーの運用・保守」の2つに分けられます。
設計・構築の作業では、ネットワークの通信速度や電源容量、コストバランスを考慮しながら、プログラマーと連携して運用しやすいサーバー構成を設計します。また、サーバーラックへの設置(ラッキング)や配線といった物理的な作業も担当し、メンテナンスのしやすさを考慮した設計を行います。
さらに、OSやサーバーアプリケーションのインストール・設定も重要な業務の一つです。サーバーの種類や用途に応じて、最適な設定を行うことで効率的な運用を可能にします。
2.サーバーの運用・保守
サーバーの運用・保守業務とは、サーバーを適切に管理し、必要に応じて調整や障害対応を行う仕事です。障害が発生した際には迅速な復旧を行い、攻撃の監視や日々のメンテナンスを通じて、サーバーの安定稼働を確保します。サーバーエンジニアは、システムの安定性を支える重要な役割を果たしています。
◆サーバーエンジニアに求められるスキルと将来性
サーバーエンジニアが担当するサーバーの種類によって、必要とされる知識やスキルは異なります。データベースサーバー、Webサーバー、アプリケーションサーバー、ファイルサーバー、クラウドサーバーなどがありますが、共通してOS、ネットワーク、セキュリティの知識は欠かせません。特にアプリケーションサーバーを扱う場合、アプリケーション開発のスキルも重要な要素となります。
現在、ITの活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、サーバーの役割はますます重要になっており、サーバーエンジニアの需要も引き続き高まると予想されます。オンプレミス環境からクラウドへの移行が進む中で、クラウドサーバーの構築や運用スキルが特に求められる一方で、セキュリティを重視した堅牢なサーバー設計も重要性を増しています。
また、ビッグデータの活用が進む現代においては、大量のデータを効率的に管理・活用するためのサーバーの最適化や高度化が求められています。このように、サーバーエンジニアの専門知識やスキルが必要とされる場面は増え続けており、今後も活躍のフィールドは広がり続けるでしょう。
◆サーバーエンジニアの年収とキャリアアップのポイント
サーバーエンジニアの平均年収は、20代で約383万円、30代や40代では約516万円とされています。ただし、収入は契約形態やスキルにより大きく変動します。
IT初心者がサーバーエンジニアを目指す場合、まずは基本情報技術者試験やITパスポートの資格取得を目指すと良いでしょう。これらの資格は、転職や就職活動の際にスキルをアピールする材料となります。また、サーバーの構築や保守のスキルだけでなく、幅広いIT知識を身につけることも重要です。
さらに高収入を目指す場合、実務経験を積みながらネットワークエンジニアとしてのスキルを習得するのも有効です。CCNAやCCNPなどの資格を取得すれば、専門知識を証明し、キャリアアップに繋がる可能性が高まります。
◆まとめ
現在、AIやビッグデータといった先端IT技術の導入と活用が、ますます重要視されています。これらの技術を効果的に運用するためには、自社の基盤となるサーバーのセキュリティ強化が欠かせません。また、それを支える高度な専門知識を持つエンジニアの採用や育成も必要です。これらの取り組みを進めることで、企業は競争力を向上させ、さらなる発展を目指すことができるでしょう。